寄付をしてみたいという気持ちがあっても、どこに寄付をするべきか分からず躓いてしまうという人は多いのではないでしょうか。
信頼できる寄付先の選び方
漠然と寄付をしてみたいけどどのような分野がいいのか分からない、寄付したい分野は決まっているけれど信頼できる寄付先なのか、詐欺に引っかかってしまわないか心配だ、など寄付先の選定にハードルを感じているという方は、次のようなポイントで寄付先を探してみてはいかがでしょうか?
興味関心のある活動を選ぶ
一口に寄付と言っても様々なジャンルの寄付があります。紛争や災害で避難している人々の支援、子供の命や権利を守る活動、環境保全の活動…寄付というと人命に関わるようなものを思い浮かべてしまいがちですが、他にも文化・芸能を守る活動、個人のプロジェクトへの寄付なども存在します。まずは自分の興味のある分野の団体、応援したいと活動を探してみることから探してみるのがおすすめです。
SNSでの活動をチェックする
Instagram、Twitter、FacebookなどのSNSの投稿は団体の活動を知る上で非常に役立ちます。公式サイトを見ただけでは分からない、日々の活動をタイムリーに、具体的に知ることができます。また、SNSの更新頻度は寄付先の信頼性を見極める上で大きな手掛かりとなります。SNSのアカウントがない、もしくはアカウントはあっても長い間更新されていない場合、実際には活動をあまりしていない可能性もあります。
寄付の使い道の透明性を確認する
寄付の使い道や現地に届くまでの流れなどが具体的に記載されているかどうかも信頼性を確認する一つのポイントとなります。寄附金を活用した活動実績の報告書を公開している団体や、寄付により与えられる影響や寄付金の使途の内訳を数字で具体的に示しているような団体は信頼性が高いと言えるでしょう。
法人格がどうであるか確認する
NPO法人の種類
NPOは特別な手続きなどなしに誰でも自由に設立することもできますが(任意団体と言います)、法人格を取得するには一定の要件があります。NPO法人にはどのような種類があるのでしょうか?
NPO法人
任意団体には設立のための手続きが存在しないのに対し、特定非営利活動法人(NPO法人)は法律に基づいた要件を満たす必要があり、設立には行政機関による認証が必要です。また、毎事業年度終了後3ヶ月以内に所轄庁へ事業報告書などを提出する義務があります。
このようにNPO法人設立には認証が必要で、設立後も所轄庁による監督を受ける(違反が発覚した場合認証の取り消しも有り得る)ことになるため、一定の信頼性があると言えます。
とは言え、多くのNPO法人がきちんと活動しているものの、書類上の不備さえなければ設立・運営が可能なため、中には実績を伴わない団体も少なからずする可能性があります。
認定NPO法人
NPO法人よりもさらに厳しい基準が設けられているのが、認定特定非営利活動法人(認定NPO法人)です。NPO法人に求められる義務に加え、事業活動における公益的な活動の割合、寄付額の実績、運営組織の体制など、「実績・体制」に関する厳格な要件が求められます。そのため、認定NPOはより信頼性が高いと考えることができます。
また認定NPO法人には、寄付金控除というメリットがあります。ある個人が寄付をする時のことを考えてみます。寄付の対象が認定NPO法人である場合、確定申告の際にこれを申請することで、税金の還付を受けることが可能です。
社団法人の種類
次に「一般社団法人」と「公益社団法人」についても見てみましょう。
一般社団法人
一般社団法人とは一定の要件を満たすことで設立できる簡易的な法人制度で、「非営利法人」ではあるものの事業目的に公益性は求められず、基本的にどのような事業でも行うことができます。
設立には定款の作成と公証人による認証、法務局での登記手続きが必要となります。
求められる最小社員数は2名であり、設立後は事業年度毎に決算報告書などを作成する必要がありますが、NPO法人とは異なり所轄庁の監督を受けることはなく、自主的な運営が求められます。このように、一般社団法人は法務局への届出や決算書作成義務がある点などから、任意団体と比較すると信頼度は高いものの、設立のハードルはそれほど高くない団体と言えます。
公益社団法人
一方で、公益社団法人は一般社団法人のうち、公益目的事業を行う団体です。公益目的事業比率が50%以上でなければならないなどの要件があり、民間有識者からなる第三者委員会による公益性の審査を経て、行政庁からの公益認定を取得しなければなりません。
このように、法人格を持つ団体は一定の要件を満たすことや、情報公開の義務が求められており、中でも認定NPO法人や公益社団法人は高い公益性や透明性が求められるため、このような要件の厳しさという意味では一般的に信頼性が高い団体と考えることができるでしょう。
実際の評価を収集する
ネット上で団体の口コミや評価を調べてみるのも重要です。団体の公開している情報とは異なる視点から正直な意見を知ることで、良い面も悪い面も客観的に比べることができるからです。
例えば、寄付をしたもののその後一切活動の報告が公開されず、詐欺の疑いがある、というような口コミが見つかるかもしれません。
また、団体でボランティアに参加した人々の実際の活動内容や現場の実情などの感想は公式サイトやSNSでは得られない貴重な情報となるでしょう。
財務情報を読む(+公開されているかどうか)
会計報告などの財務情報を見てみるのも一つの方法です。会計報告を見ることで寄付金による収益がどのくらいあるかや、支出の内訳、すなわち何にどれくらいのお金が使われているかなどを細かく確認できます。
また、財務情報がサイト上に公開されているかどうかということ自体も、情報公開や透明性という観点で信頼性を測る一つの指標となります。
経常費用をチェックする(「事業費」と「管理費」)
寄付金などがどのように用いられているかを確認するには「経常費用」の項目を確認してみましょう。
経常費用は「事業費」と「管理費」の二つに分類されます。事業費は、団体が目的とする事業を遂行するために使われたお金です。活動に要した仕入れや各種製作費、それに伴う人件費などが含まれます。
一方、管理費は団体の運営管理のための支出です。例えば、総会の開催費用や管理部門の事務所の光熱費などです。役員報酬もここに含まれます。
適正な支出額は団体の規模によって異なるため、一概に支出額の大小では判断できませんが、事業費の支出の項目が当該団体が掲げる目的と合致しているかどうか、またその割合がどのくらいかを確認することで、実際に寄付金が適正に使われているのかどうかを確認することができます。
事業費の割合の目安は?
認定NPO法人の場合、特定非営利活動に係る事業費が80%以上、公益法人の場合、公益目的事業の費用の割合が50%以上でなければなりません。
それに加え、団体で独自に事業費の割合の目安を設けていることもあります。
例えば、認定NPO法人フローレンスでは事業比率90%を目安として運営をしています。
経常費用のうち事業に使用された費用の割合を示す事業費比率は、2021年度91%でした。
フローレンスでは事業費比率90%前後を目安として事業運営しております。
(フローレンス公式サイトより)
補足:少し踏み込んでの説明です。上の例では「目安」という言葉が使われています。そう宣言されている以上、組織が比率を意識しているのは確実に言えることで、注目に値します。それと同時にあくまでも「目安」ですので、このような言葉の微妙な定義も意識しながら適正を精査することをおすすめします。 |
日本窓口と本部との取り決めもチェック
その他、例えば、国連組織の日本窓口のように、活動・運営の資金に充てて良い金額の割合を本部と取り決めている場合があります。
例えば、国連UNHCR協会の場合、その上限は25%です。2022年度の寄付金の使途の内訳は、UNHCR本部への送金:93.1%、広報・募金活動:6%、一般管理費他:0.9%となっており、活動・運営費用は上限の25%を大きく下回っています。
(参考:国連UNHCR協会活動報告2022)
大きな団体は「日本の支部が中抜きをしている」、「設備や広報、人件費にお金をかけすぎている」などと批判されることがあります。
<批判的なコメントの一例>
日本ユニセフは善意の寄付金から手数料をいくら取ってるのですか?
社員数36人の会社が、都心の一等地に数十億円の自社ビルを新築する必要があるのですか? その分を、飢えた子供たちに渡してあげればどれだけの命が救われると思いますか?「国連の方から来ました」詐欺は儲かりますか?
街角で声をかけられ、月に3000円の寄付を数年間していますが、定期的にたいへん立派な写真資料が送られて来るんですね。そんな余裕があるなら、難民救済のほうに回して欲しい!
会の精神に疑問を感じ、寄付をやめたいと思っています。
しかし、寄付金を集めるための各国での広報活動やそれに伴う経費は必要な支出です。上記のように一定のルールのもと、適正な支出を行っているかどうかも一つの判断基準となります。
身近にある団体がないか考える
身近にある団体を探してみるのもいいでしょう。例えば地域の保護動物の施設や児童福祉施設などです。身近な団体を選ぶメリットは、実際に事務所や施設に足を運び、見学をしたり話を聞いて雰囲気や実情を知ることができる点です。また、寄付を行った際に、地域に還元していることを実感しやすいのもメリットの一つと言えます。
税金の控除対象かどうか
国や地方公共団体、一部の公益団体に寄付をした時に、確定申告をすることにより所得税から一定の控除を受けられる制度があります。ただし、全ての団体への寄付が寄附金控除の対象になるわけではありません。どうせ寄付をするならば、控除が受けられる団体がいいという方は、税金の控除対象であるかどうかを一つの選ぶ際の基準にしてもいいかもしれません。寄附金控除の対象になるかどうかは通常、団体のホームページに記載されていますので確認してみることをおすすめします。
(ただし、控除には下限と上限があるので気をつけましょう)
寄付団体の評価を多角的に確認
既に述べた通り、ネットでの評価や口コミは信頼性を判断する上で一つの指標になります。いくつかの団体の評価を実際に見てみましょう。
この際に重要なのが、良い口コミだけでなく、また、悪い口コミだけでもなく、両方の意見に耳を傾けることです。そうすることで、包括的な視点で物事を見つめることができるはずです。以下では、練習として、両方の見方をしながら有名な団体について考えてみます。
ユニセフ(日本ユニセフ協会)の評価
ユニセフについての肯定的な評価
マンスリーサポーターです。僅かにお力添えになれましたらと活動を続けさせて戴いています。
(Googleマップ口コミより)
いつも熱心な方々で刺激をもらいます
(Googleマップ口コミより)
10年ほど寄付し続けています。建物が立派過ぎるとケチ付ける人が居ますが、世界中のユニセフは寄付金額の何%まで建物に使えるかが決まっています。日本は世界の中でも建物に使っている金額は予算よりかなり少なく、そういった資料もユニセフは公開しています。人道支援している人にこそ少しでも快適に仕事をしていただきたいです。
(Googleマップ口コミより)
五年前まで、マンスリーサポートをしていましたが、仕事を退職してから、辞めさせてもらいました。しかし、ニカ月まえに、駅前で、説明を受けて、金額を無理しない様に、身の丈にあったサポートが出来ると知り、また、再開しました。世界の子供達は、宝物です。少しでもお役に立ちたいと思います。
(Facebookのレビューより)
ユニセフについての否定的/疑問視するような評価
ウクライナ支援の寄付をしましたが、電話やDMでの定期契約の催促が止まりません。 寄付を後悔するようなやり方は倫理的に望ましくないと思います。 また、これらの販促活動に掛かる費用も時間を重ねる毎にそれなりの額になると推察出来ますので、寄付先として相応しくなかったなと思っています。
(Googleマップ口コミより)
お電話にて寄付の依頼をいただきました。 毎月のサポート及び会社の事務所に募金箱設置をし、積極的にお力になりたいなと思ったことが間違えでした。 電話対応やその内容は本当に残念。何かプライドみたいなものがあるのでしょうか?様々な条件、及び寄付金額のノルマまでおっしゃって来られました。 行われていることや理念は素晴らしいのに、とても残念に感じております…。
(Googleマップ口コミより)
携帯新規契約して二週間くらいで日本ユニセフのフリーダイヤルから迷惑電話ありました。 いったいどこから仕入れているのか? サブ携帯なので当然どこにもまだ電話番号教えてないし登録していません。 電話番号知ってるのはこのMVNO会社以外ありませんが… 個人情報仕入れてまで寄付募るような団体には全く寄付したくありません。 迷惑です。
(Googleマップ口コミより)
数年前に亡くなった父の名前でダイレクトメールが届きました。 父は別の団体に篤く貢献しており、こちらには関わりがなかったので不審に思いました。 個人情報を名簿屋から買って手紙を送ることもあると言われ、あ然としました。金のためなら手段を選ばないのでしょうかね。
(Googleマップ口コミより)
ユニセフについてのまとめ
良い評価としては「自分のできる範囲で無理なく続けられる」、「活動実績や国連とのパイプの太さが際立っている」、「世界の子供達の役に立っていると実感できる」、「職員が熱心」などがありました。
一方で、悪い評価としては、「勧誘がしつこい/押しが強すぎる」、「支援者への特典やパンフレットなどにお金をかけすぎている。経費をもっと援助資金に回してほしい」という声がありました。
マクドナルド財団(公益財団法人 ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパン)の評価
マクドナルド財団ついての肯定的な評価
息子君のハッピーセットを頼むときにアプリからだと割引クーポンあるしマクドナルド財団寄付金付きのが選択しやすいから毎度ポチッとしてるんだけど、今日は店員さんに「寄付ありがとうございます」って言われてハッピーセットにハッピーついてきた。
(Twitterより)
ハッピーセットのクーポンに募金つきがある。なしと比べて10円しか差異がない。募金はマクドナルド財団へ。細やかすぎるけど、身近で楽チン。
(Twitterより)
マクドで注文するとき、いつもマクドナルド財団の募金をいくらか入れてる。昔、マクドナルドハウスっていう、病院に併設されてる施設にとてもお世話になったことがあってね。
(Twitterより)
子供の入院の際利用しました。退出時は自分の部屋を掃除します。設備がいろいろあって普通にホテルに泊まってる感覚でした。ボランティアの方も親切でした。寄付で成り立っているためカップラーメンや、お茶など置いてあって売店が閉まった後も晩御飯を食べることが出来ました。利用してる親御さんはいろいろな理由で来られてる方がいて、自分だけが不安で大変じゃないんだと勇気をもらいました。是非これから利用する方はお一人でも是非利用者さんとお話していただきたいです。そうやって皆で励まし合って子供が早く元気になれるよう待ってあげてほしいです。
(Googleマップ口コミより)
立地的にハウスのドアから病院のドアまで数歩!! そしてスタッフさんが皆親切で、本当に有り難かった。
(Googleマップ口コミより)
子供が成育医療研究センターで入院した際に大変お世話になった場所です。県外から出てきて、急遽入院・手術となってしまい、宿泊場所に困っていたため本当に助かりました。スタッフの皆さん、ボランティアの皆さん、本当に暖かい人ばかりで安心して子供に付き添うことができました(^^)。本当に感謝しております。ありがとうございました!
(Googleマップ口コミより)
東大病院に入院するも自宅が遠く、外泊許可が出ても帰宅するのが困難。そんな子供達とご家族の為の外泊施設です。ファストフードメーカーとしては健康的な食品の提供が本来取組むべき課題だと思うのですが、こういう形で社会貢献しています。東大病院の敷地の中でも閑静な場所で、立地的には良いと思います。施設も綺麗に維持されています。利用対象に『東京大学医学部附属病院他に入院または通院の20歳未満の患者と付き添い家族』とあるので、東大病院以外に通院・入院する20歳未満の患者と家族も利用可能です。
(Googleマップ口コミより)
マクドナルド財団についての否定的/疑問視するような評価
マクドナルド財団と企業としてのマクドナルドには矛盾を感じたりするわけだ。
(Twitterより)
体に良くないものとわかっちゃいるけど、たまにはいっか〜となる。
ドナルドマクドナルド財団が、病児支援を行っていることを、
プロモーションに上手に利用するあたりが、時に狡猾な資本主義の片鱗と感じるのは、ひねくれた見方だろうとは思うが。
(Googleマップ口コミより)
子供が入院したときの家族の通院の精神的、金銭的負担を軽減する為の施設というコンセプト自体は国内では確かに貴重なものです。ただ問題はマクドナルドが中心に運営していることから施設名にもマクドナルドと付いていることでしょうか。どう考えても体を蝕むような食品を子供に食べさせる反面、病気の子供とその家族をおもいやるような慈善的行為をして「マクドナルド=家族の味方」的イメージをまた植え込む、イメージ戦略にたけたマクドナルドならではですね
(口コミランキングGOGOより)
マクドナルド財団についてのまとめ
一般消費者からは「クーポンやレジ横の募金箱から気軽に寄付ができるのか良い」、「素晴らしい取り組み」、宿泊施設の利用者からは「子供が入院した時に本当に助かった」、「ボランティアやスタッフがとても親切だった」など、全体として肯定的な意見が多くみられました。
一方で、悪い評価としては、「活動自体は素晴らしいが、企業としては体に悪い食品を提供しており、矛盾している。イメージ戦略にすぎないと感じる」という意見がみられました。
日本赤十字社の評価
日本赤十字社ついての肯定的な評価
日本赤十字から活動報告と寄付のお礼が来た
(Twitterより)
日本赤十字に寄付しました
私が日本赤十字を選んだ理由は
・トルコだけでなくシリアにも救援活動を行っているから
・活動報告がマメ
・信頼している、TBSラジオの荻上チキsession #ss954 で紹介されていたから
・クレジットカードのポイントでの寄付もできるから
です。
(Twitterより)
献血100回の感謝ということで日本赤十字社より金色有功章を拝受いたしました。
微力ながら今後もつつげていければと。
そのための健康でもありますね。
(Twitterより)
人道支援、教育支援に熱心。私たちの未来を創りだしてくれる。
(Googleマップ口コミより)
世界で一番困っている人に、今苦しんでいる人に、手を差しのべることを本気でやってくれる、どんなに困難でも歩みを止めない。またそうした心を青少年赤十字活動で若者たちの心に育ててくれる。そんな人間を大切に、教育に愛を注いでくれる組織。あるでしょうか。常に人間を救うのは人間であることを教えてくれます。感謝しかありません!
(Facebookのレビューより)
日本赤十字社についての否定的/疑問視するような評価
ウクライナに3000円寄付しました。
日本赤十字さん、寄付する時に個人情報入力の代わりにログインで対応してるのに、ログインで今までの寄付履歴とか見れないのほんとわかってないよね。
ちょこちょこ寄付しようなんて人、わりと今までの寄付履歴と総額見たいと思うよ?
その点国境なき医師団は優秀…
(Twitterより)
トルコの1日も早い復興を祈ります。
復興支援のために寄付をしたいと考えても、中抜きする日本赤十字には預けたくないという人が多いかと思います。トルコ大使館が直接寄付を募っているのでこちらにお願いします。
(Twitterより)
トルコ地震の被害に対して日本赤十字を通じて寄付をしようとしたら名前と住所の提示を求められたという話を聞いた
そんなこと不要な様に思われるが
その個人データは何に使うのだろう
(Twitterより)
毎年、自治会からの強制的な500円の集金は止めて欲しい。無駄な意味の無いシール作るだけだも莫大な費用だし腹が立つ。問い合わせてしても、私たちは500円以上の寄付は言ってないとしらを切る。赤十字の病院に行っても診察は拒否するし寄付の金だけ強制的に持っていかれる。
(Googleマップ口コミより)
日本赤十字社についてのまとめ
好意的な意見としては「活動報告がまめ」、「お礼状が届いた」、「ポイントで寄付ができる」、「現場のスタッフのスキルが高い/一丸となって取り組んでいる」などがありました。
一方、悪い評価としては、「個人情報の入力が必要な理由が不明」、「中抜きをしているのではないか?」などの意見が見られました。
寄付先として信頼性の高い団体
続いては、寄付先として一般的に信頼に足ると言われている寄付先をご紹介します。できるだけ公平に評価するように心がけていますが、最終的には、是非とも、あらゆるソースをあたり情報をまんべんなく集めた上で、多角的に判断なさってください。また、上の項目で紹介した団体との間に、特段、上下の違いをつけているつもりはありませんのでご理解ください。
団体によっては、ある面ではとても精力的でありながら、ある側面はおろそかであることもあるかもしれません。大事なのは、指標を一つに絞らないことです。
だからこそ、以下では、法人格、財務情報、情報の透明性と新しさなどなど、複数の観点から、注目に値するポイントをかいつまんでご紹介しています。
国境なき医師団日本
公式サイト:https://www.msf.or.jp/
国境なき医師団(MSF)はフランスで設立された紛争や災害、貧困などに直面している人々に緊急医療援助を提供する非営利の医療・人道援助団体です。国境なき医師団には本部が存在せず、世界各国38箇所の事務局が相互に補完しつつ独立して活動しています。国境なき医師団(MSF)日本はそのうちの一つです。MSFで集められた寄付金は援助プログラムを運営するオペレーション事務局を通じ、現地での人道支援に充てられます。
国境なき医師団日本は認定NPO法人であり、サイト上で詳細な活動報告書を年次で公開しています。また、最新の活動情報もサイト上の記事一覧やInstagram、Twitterで積極的に発信しています。以上より透明性が高い団体という印象を受けます。
<法人格>
あり
国境なき医師団日本は1999年に特定非営利活動法人(NPO法人)として東京都の認証を受け、2002年には認定非営利活動法人(認定NPO法人)として国税庁の認定を受けています。
<財務情報公開ページ>
あり
国境なき医師団日本は活動内容や資金の使い道、財務報告などをまとめた詳細な活動報告書を1年に一度サイト上で公開しています。
► https://www.msf.or.jp/publication/
<最新の記事が読めるページ>
あり
国境なき医師団日本のサイトでは、最新の活動内容の記事を日付順・ジャンル別の一覧で見ることができます。
► https://www.msf.or.jp/news/
<Instagramアカウント>
あり
国境なき医師団日本には公式のInstagramアカウントがあり、頻繁に(数日に1回程度)更新されています。
► https://www.instagram.com/msf_japan/
<Twitterアカウント>
あり
国境なき医師団日本には公式のTwitterアカウントがあり、頻繁に(1日数回)更新されています。
国連UNHCR協会
公式サイト:https://www.japanforunhcr.org/
UNHCRは国連難民高等弁務官事務所の略称で、紛争や迫害により故郷を離れざるを得なくなった難民を支援・保護する活動を行う国連機関です。国連UNHCR協会はその活動を支える公式窓口(東京都港区が本部)である特定非営利活動法人です。世界各国の紛争地域で食料、生活物資、医療の提供、教育支援、自立支援などの活動を行っており、寄付はその活動に充てられます。
国連UNHCR協会は認定NPO法人であり、サイト上で詳細な活動報告書を年次で公開しています。また、最新の活動情報もサイト上の記事一覧やInstagram、Twitterで積極的に発信しています。以上より透明性の高さを感じます。
<法人格>
あり
国連UNHCR協会は2000年に「日本国連HCR協会」として法人登録され、2003年には認定非営利活動法人(認定NPO法人)として認定を受けています。
<財務情報公開ページ>
あり
国連UNHCR協会のサイトでは活動・会計報告のページが公開されており、年次の詳細な活動報告書と会計・監査も確認できます。
https://www.japanforunhcr.org/about-us/annual-report
<最新の記事が読めるページ>
あり
国連UNHCR協会のサイトでは、最新の活動内容の記事を日付順・ジャンル別の一覧で見ることができます。
https://www.japanforunhcr.org/news
<Instagramアカウント>
あり
国連UNHCR協会には公式のInstagramアカウントがあり、頻繁に(数日に1回程度)更新されています。
https://www.instagram.com/japanforunhcr/
<Twitterアカウント>
あり
国連UNHCR協会には公式のTwitterアカウントがあり、頻繁に(1日数回)更新されています。
アムネスティ・インターナショナル日本
公式サイト:https://www.amnesty.or.jp/
アムネスティ・インターナショナルは様々な差別や暴力に苦しむ人々の自由と尊厳を守り、人権侵害のない世界を目指す活動を行う国際人権NGOです。死刑制度、LGBTと人権、難民と移民、子供の権利、気候変動と人権など様々なテーマの人権問題に取り組んでいます。アムネスティ・インターナショナル日本はその日本支部です。寄付金は主に日本でのキャンペーンや啓発活動に充てられる他、一部はアムネスティの国際事務局の財政に充てられます。
アムネスティ・インターナショナル日本は公益社団法人であり、サイト上で詳細な活動報告や年次の決算報告書などを公開しています。また、最新の活動情報もサイト上の記事一覧やInstagram、Twitterで積極的に発信しています。以上より、高い透明性が確保されている印象を受けます。
<法人格>
あり
1970年に誕生したアムネスティ・インターナショナル日本は、2000年に社団法人となり、2011年には内閣府公益認定等委員会の認定を受け、公益社団法人となりました。
<財務情報公開ページ>
あり
アムネスティ・インターナショナル日本のサイトでは、活動・会計報告のページで年次の収支のまとめと決算報告書のPDFを確認することができます。
https://www.amnesty.or.jp/about_us/aij/report.html
<最新の記事が読めるページ>
あり
アムネスティ・インターナショナル日本のサイトでは、日々の活動や成果に関する記事を一覧で見ることができます。
https://www.amnesty.or.jp/hrc/
<Instagramアカウント>
あり
アムネスティ・インターナショナル日本には公式のInstagramアカウントがあり、頻繁に(数日に1回程度)更新されています。
https://www.instagram.com/amnestyjapan/
<Twitterアカウント>
あり
アムネスティ・インターナショナル日本には公式のTwitterアカウントがあり、頻繁に(1日数回)更新されています。
ケア・インターナショナル ジャパン
公式サイト:https://www.careintjp.org/
ケア・インターナショナルジャパンは国際的な人道支援を行う国際協力NGO「CARE」の一員であり、世界各国でジェンダー平等と女性のエンパワーメントに力を入れた開発支援、貧困削減の取り組み、紛争・自然災害などの緊急支援を行っています。
ケア・インターナショナルジャパンは公益社団法人であり、サイト上で詳細な活動報告や年次の決算報告書などを公開しています。また、最新の活動情報もサイト上の記事一覧やInstagram、Twitterで積極的に発信しています。比較的透明性の高さを意識している団体ではないでしょうか。
<法人格>
あり
1987年に誕生したケア・インターナショナルジャパンは、1993年に外務省の認証を受け法人格を取得し、2010年には公益社団法人の認定を受けています。
<財務情報公開ページ>
あり
ケア・インターナショナルジャパンでは、事業年度毎に事業報告書と財務諸表を公開しています。
https://www.careintjp.org/about/disclosure.html
<最新の記事が読めるページ>
あり
ケア・インターナショナルジャパンでは活動レポートを最新記事順に掲載しています。
https://www.careintjp.org/about/our_work_report/index.html
<Instagramアカウント>
あり
ケア・インターナショナルジャパンには公式のInstagramアカウントがあり、頻繁に(週1回程度)更新されています。
https://www.instagram.com/careintjp/
<Twitterアカウント>
あり
ケア・インターナショナルジャパンには公式のTwitterアカウントがあり、頻繁に(1日1回程度)更新されています。
認定NPO法人ロシナンテス
公式サイト:https://www.rocinantes.org/
ロシナンテスはアフリカのスーダン、ザンビアを中心とした途上国に医療を提供する活動を行っている非営利団体です。スーダンでの巡回診療や診療所の建設などの支援や、ザンビアで安全な出産を支援する取り組みなどの他、日本国内では東北や熊本の震災の復興支援活動も実施。寄付金はこれらの活動に使用されます。
ロシナンテスは認定NPO法人であり、サイト上で詳細な活動報告や年次の決算報告書などを公開しています。また、最新の活動情報もサイト上の記事一覧やInstagram、Twitterで積極的に発信しています。
<法人格>
あり
2006年にNPO法人ロシナンテスとして設立し、その後2012年に国税庁の認定を受け認定非営利活動法人(認定NPO法人)となりました。
<財務情報公開ページ>
あり
ロシナンテスでは活動実績や会計報告をまとめた年次報告書を公開しています。
https://www.rocinantes.org/about/archive/
<最新の記事が読めるページ>
あり
ロシナンテスでは活動報告ブログとイベント・ニュースを最新順に掲載しています。
ブログ
https://www.rocinantes.org/blog/
イベント・ニュース一覧
https://www.rocinantes.org/news/
<Instagramアカウント>
あり
ロシナンテスには公式のInstagramアカウントがあり、頻繁に(1〜2週間に1回程度)更新されています。
https://www.instagram.com/rocinantes_jpn/
<Twitterアカウント>
あり
ロシナンテスには公式のTwitterアカウントがあり、頻繁に(1日数回)更新されています。
https://Twitter.com/ROCINANTES_jpn?lang=ja
認定NPO法人フローレンス
公式サイト:https://florence.or.jp/
フローレンスは病児育児問題、待機児童問題、障害児保育問題、赤ちゃんの虐待死問題などの課題に取り組み、安心して子育てができる社会を目指す非営利団体です。保育園、障害児保育園などの各種施設の運営や、赤ちゃん縁組や病児保育スタッフの派遣など様々な事業を行っています。
フローレンスは認定NPO法人であり、サイト上で詳細な活動報告や年次の決算報告書などを公開しています。また、最新の活動情報もサイト上の記事一覧やInstagram、Twitterで積極的に発信しています。
<法人格>
あり
フローレンスは2004年に特定非営利活動法人(NPO法人)の認証を得て設立し、2012年には認定非営利活動法人(認定NPO法人)の認証を取得しました。
<財務情報公開ページ>
あり
フローレンスでは収益の推移・内訳、事業費比率のグラフや、年度毎の活動計算書、貸借対照表を細かく公開しています。
<最新の記事が読めるページ>
あり
フローレンスではイベントのお知らせや連載記事、インタビューなどの記事が一覧で公開されています。
<Instagramアカウント>
あり
フローレンスには公式のInstagramアカウントがあり、頻繁に(1日1回程度)更新されています。
https://www.instagram.com/npoflorence/
<Twitterアカウント>
あり
フローレンスには公式のTwitterアカウントがあり、頻繁に(1日数回)更新されています。
認定NPO法人カタリバ
公式サイト:https://www.katariba.or.jp/
カタリバは生まれ育った環境に関わらず、すべての10代が意欲と創造性を育めるよう、居場所と活躍の場を作る活動を行う教育NPOです。経済的な事情を抱える子供や海外にルーツを持つ子供、被災地の子供、不登校やその他の困難を抱える子供など、様々な事情を持つ子供を対象としたプロジェクトを実施しています。
カタリバは認定NPO法人であり、サイト上で詳細な活動報告や年次の決算報告書などを公開しています。また、最新の活動情報もサイト上の記事一覧やInstagram、Twitterで積極的に発信しています。
<法人格>
あり
カタリバは2001年に設立し、2006年に特定非営利活動法人(NPO法人)として東京都の認証を受けたのち、2013年には認定非営利活動法人(認定NPO法人)としての認定を受けています。
<財務情報公開ページ>
あり
カタリバでは年度毎の財務・会計報告のハイライトと、年次報告書をサイト上で公開しています。
https://www.katariba.or.jp/outline/annual/
<最新の記事が読めるページ>
あり
カタリバではサイト上のお知らせ一覧の他、noteで様々な記事を一覧で公開しています。
<Instagramアカウント>
あり
カタリバには公式のInstagramアカウントがあり、頻繁に(1〜2週間に1回程度)更新されています。
https://www.instagram.com/npo_katariba/
<Twitterアカウント>
あり
カタリバには公式のTwitterアカウントがあり、頻繁に(1日1回程度)更新されています。
さいごに
寄付を始めてみたいと思いつつも、どこに寄付すればいいのか、信頼できる団体はどこなのか分からないという方は、今回ご紹介した方法で寄付先を是非検討してみてください。
以下、寄付先を選定する際のヒントのまとめです。
1. 興味関心のある活動を選ぶ
2. SNSでの活動をチェックする
3. 寄付の使い道の透明性を確認する
4. 法人格があるか確認する
5. 実際の評価を収集する
6. 財務情報を読む(+公開されているかどうか)
7. 身近にある団体がないか考える
8. 税金の控除対象かどうか
寄付先の評価を行う際は、いずれかの側面だけで判断するのではなく、多角的に見てみることを心がけてください。これだけで新たな特徴に気付けるようになります。
ネットの口コミをチェックする時には特に、「他の見方もできるかも」というアプローチが重要になります。良い評価・悪い評価の両面を見た上で、客観的な事実と照らし合わせてみましょう。
「良い評価、悪い評価」と言いましたが、実際にSNSなどでコメントを見ていると、これがきれいに分かれているわけではないことに気付きます。つまり、はっきりと白黒が分かれているわけではないのです。Aさんは「肯定的」、Bさんは「否定的」とざっくりと分けてみるのも、全体を把握する上では便利なやり方かもしれません。
しかし、時間が許す限りは、コメントの中にあるニュアンスや細かな要素まで拾うよう努力してみることをおすすめします。精査していくと、一つのコメントの一部には賛同でき、また一部には首をかしげることもあるでしょう。人それぞれ意見が違うものですから当然です。それを受け入れた上で、自分なりの意見や評価を作り出すことができれば素敵なのではないでしょうか。