今回の記事のトピックは、シングルマザーや母子家庭と支援、寄付についてです。その定義や実態について理解を深めた上で、寄付などの支援がどのように行われているのか、どのような役割を果たしているのか、などを考えてみましょう。
目次
シングルマザーとは
シングルマザーの支援や寄付といったテーマではありますが、まずは、言葉を正しく理解することから始めます。シングルマザーや母子家庭という言葉は広く使われており、決して馴染みのない言葉ではないでしょう。しかし、その定義をこの機会にしっかりと振り返っておいて損はないはずです。
シングルマザーの定義
シングルマザーとは一般に、離婚や死別などの理由により、子供を一人で養育している母親のことを言います。
法的な婚姻関係になく子供を生んだ女性(未婚の母),あるいは離婚や別居して子供を養育している母親。
(ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典より)
また、その家庭を「母子世帯」または「母子家庭」と呼び、次のような定義があります。
母子世帯………父のいない児童(満20歳未満の子どもであって、未婚のもの)がその母によって養育されている世帯。
(厚生労働省「令和3年度全国ひとり親世帯等調査結果報告」より)
続いて、以下に示すのが、福岡市立ひとり親家庭支援センターのサイトからの引用です。夫と死別された方に限らず、生死がわからない、海外にいることが原因で扶養を受けることができない、精神や身体の障害により長期にわたる労働能力の欠如が発生している、といった状況もその定義に含まれます。
母子家庭とは
夫と死別または離婚し、現在も婚姻していない方で、20歳未満の子どもを扶養している家庭をいいます。
また、次のような方も含まれます。
(福岡市立ひとり親家庭支援センターHPより)
- 夫の生死が明らかでない方
- 夫から遺棄されている方
- 夫が海外にあるためその扶養を受けることができない方
- 夫が精神または身体の障害により、長期にわたって労働能力を失っている方
- 夫が法令により長期にわたって拘禁されているため、その扶養を受けることができない方
- 婚姻によらないで母となった方で現に婚姻していない方
- DV(ドメスティック・バイオレンス、家庭内暴力)を受けて保護命令が出されている方
日本のシングルマザー
続いては、統計情報を見てみましょう。
令和3年度 全国ひとり親世帯等調査によると、日本のシングルマザー(母子世帯)の数は約120万世帯であり、そのうち同居人(両親や兄弟、祖父母など)がおらず、母子のみで暮らしている世帯は約77万世帯となっています。
参照:こども家庭庁支援局家庭福祉課 令和5年4月「ひとり親家庭等の支援について」
シングルマザーの直面する問題
貧困に陥りやすい
シングルマザーはシングルファザー(父子家庭)と比べて非正規雇用の割合が高く、年収も低い傾向があります。そのため、貧困に陥りやすいという大きな問題があります。
当然、私個人としては、母であるか父であるかで、特定の人の雇用の確率や年収を何も予想することができず、そうすべきでもないと思っています。しかし、事実として、シングルマザーの方々が雇用機会や年収の面で厳しい状況を迫られるのは、決して珍しくありません。
具体的なデータから考えてみましょう。
<母子家庭/父子家庭の正規雇用と非正規雇用の割合>
就労母子家庭
「正規の職員・従業員」は48.8%、「パートアルバイト等」は38.8%
就労父子家庭
「正規の職員・従業員」は69.9%、「パートアルバイト等」は4.9%
<母子家庭/父子家庭の平均年収>
母子家庭
母自身の平均年収は272万円(うち就労収入は236万円)
父子家庭
父自身の平均年収は518万円(うち就労収入は496万円)
参照:こども家庭庁支援局家庭福祉課 令和5年4月「ひとり親家庭等の支援について」
このように、実際に収集された統計情報の全体から、シングルマザーの方々の方が、パートアルバイト率が高い、そして、平均年収が低い傾向が見て取れます。
また、2019年の国民生活基礎調査によると、ひとり親世帯(父子世帯も含む)の貧困率は48.3%にのぼり、各種世帯の生活意識調査を見ると、母子世帯では生活が苦しいと回答した割合が86.7%に達します。
子供の教育の格差
母子家庭が貧困に陥りやすい傾向があることは、当然子供の教育や生活の質にも影響を及ぼします。
シングルマザーが抱える子どもに関する悩みに関する調査では、「教育・進学」が60.3%と最も多くなっています。(令和3年度 全国ひとり親世帯等調査結果報告より)
また、令和3年度の同調査結果報告によると、母子世帯の高校卒業後の進学率(大学、短大、専修・各種学校)は66.5%でした。一方、文部科学省の発表している令和3年度学校基本調査によると、全世帯の高等教育機関への進学率は83.8%となっており、母子世帯の進学率は一般世帯と比較して低いことがわかります。また、大学(学部)への進学については、全世帯の進学率が54.9%であるのに対し、母子家庭は41.4%です。
このように、経済的な(またはその他の)理由により、子供が希望する進路や学校を選べない、そして、進学自体を諦めざるを得ない場合もあることが考えられます。
孤立しやすい
さらに、上述のような子育てや経済的な状況に関する悩みを相談できる相手がおらず、孤立してしまうケースもあります。シングルマザーの相談相手の有無に関する調査(令和3年度 全国ひとり親世帯等調査結果報告)では21.9%が相談相手がいないと回答しています。
最悪の場合、追い詰められて虐待などに繋がるケースも考えられます。平成21年の「全国児童相談所における家庭支援への取り組み状況調査」の「虐待につながると思われる家庭・家族の状況」では「ひとり親家庭」が26.5%で、「経済的な困難」(33.6%)、「虐待者の心身の状態」(31.1%)に次ぎ、3位となっています。
このように、母親自身の心身の健康や子供の健やかな環境を守るためにはシングルマザーが孤立しないよう、メンタルケアや子育てのサポートを含めた様々な支援が求められます。
住居を見つけづらい
家賃の問題や、保育園との立地の兼ね合い、不動産屋からの理解を得るのが難しいなどの理由からそもそも住居を探すこと自体が困難なケースもあります。日本賃貸住宅管理協会により平成27年に行われた調査結果によると、ひとり親世帯は賃貸人による入居拒否の対象の5位にランクインしており、家賃支払いに対する不安が主な理由となっています。(国土交通省「多様な世帯が安心して暮らせる住まいの確保に向けた 当面の取組みについて (参考資料)」より)
シングルマザーと寄付
ここまで見てきたように、シングルマザーは経済的にも精神的にも大きな負担を抱えることが多く、母親自身や子供の生活の質を向上するためには周囲やコミュニティの支援が求められます。
シングルマザーへの寄付は可能か
一人で子育てをするシングルマザーを支援するために私たちは何ができるのでしょうか?シングルマザーを支援する団体やコミュニティは数多く存在するため、そこへ寄付をする形で支援することができます。
シングルマザーへの支援の種類
具体的な支援団体を見ていく前に、シングルマザーの支援にはどのような種類があるかを見ていきましょう。代表的なものだけでも次のような種類があります。
住宅補助
生活費の中でも大きな割合を占める家賃はシングルマザーにとって大きな負担となります。
その負担を軽減するために、市区町村ごとに、ひとり親世帯向けの家賃補助の制度を設けていることがあります。この制度は市町村の独自の制度であり、その要件や金額はそれぞれです。一般的に相場は月額5,000円〜10,000円程度となっていますが、例えば世田谷区では最大で月額40,000円となっています。
さらに、既にご紹介したとおり、住居を見つけること自体が難しいシングルマザーのために、敷金礼金なし、保証人不要の子育てをするのに適した物件を無料で紹介する支援を行っている団体なども存在します。国や自治体と連携し、空き家を活用するなどしてひとり親世帯に手頃な物件を数多く紹介してきたNPO法人リトルワンズがその一例です。
経済的支援
住宅以外にも、日々の食費・生活費、子供の養育費など様々な出費があります。シングルマザーは家計全般で大きな不安を抱えているケースが多く、経済的な支援はとても重要です。
シングルマザーが利用できる国や自治体の助成金の制度には、母子世帯以外でも利用できるものも含め、例えば次のようなものがあります。
・児童手当:母子世帯に限らず、中学校卒業までの子どもがいる家庭が利用できる
・児童扶養手当:18歳までの子供を養育しているひとり親家庭が利用できる
・ひとり親家庭の医療費助成制度:ひとり親世帯の医療費を助成する制度
・子ども医療費助成:母子世帯に限らず、子供の医療費を助成する制度
・児童育成手当:18歳までの子供を養育しているひとり親家庭が利用できる
・特別児童扶養手当:母子世帯に限らず、20歳未満の障がいを持つ子供を養育する家庭が利用できる
・障害児福祉手当:母子世帯に限らず、20際未満の重度障害児に支給される
・生活保護:一定の要件のもと生活に困っている人に最低限度の生活を保障するための制度
精神面でのケア
経済的な悩みや子育てに関する悩みなどを相談できずに孤立してしまわないように精神面でのケアも必要です。
ひとり親家庭のさまざまな悩みを相談できる総合的な窓口が全国の都道府県に設置されています。実施している事業は地域によって差がありますが、子育て、仕事、生活など全般的な悩みが相談できます。
また、認定NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむのように、経験豊富な相談員による電話やメールでの相談や、シングルマザー同士の交流会を行っている非営利団体も存在します。
就業支援
シングルマザーは子育てとの両立などの理由から、安定した収入を得るのが難しいことが多く、貧困に陥る大きな原因となっています。柔軟な働き方をしながら安定した収入を得られるような支援が必要です。
シングルマザーの就労を支援するための国の制度は数多く存在します。例えば、就職に有利な資格を取得するための準備金の貸付、教育訓練費用の一部の支給、母子家庭等就業・自立支援センター等での就職相談や就業情報の提供、講習会の実施などです。
また、全国200箇所に子育て中の母親に特化した「マザーズハローワーク」と、ハローワーク内の「マザーズコーナー」が設置されており、子連れでの職探し、子育てと両立しやすい仕事の紹介、セミナーや子育て支援サービス情報の提供などシングルマザーの職探しに不可欠な支援を行っています。
さらに、非営利団体の中にもシングルマザーのキャリア支援のセミナーや講習会を無料で提供しているものがあります。
子育て支援
シングルマザーは子供の面倒を一人で見なければならず、フルタイムで働けない場合が多いでしょう。子供が急に病気になった時には仕事を早退したり、休まなければならないこともあり、収入の大幅な減少に繋がったり、解雇の理由になるおそれもあります。
母親の負担を軽減し、安心してより安定した収入を得られるようにするためには、病児保育や訪問保育などの支援が不可欠です。
また、母子家庭の子供は経済的な理由により学習塾や習い事へ行けない、十分な食事ができない場合もあります。そのような子供の環境による学習や体験の格差を失くしたり、居場所や活躍の場を作る活動を行っている支援団体も存在します。また、貧困世帯の子供達が健康的な食事をできるよう、無料・または低料金の食事を提供するフードバンクやこども食堂なども存在します。
シングルマザーへの支援のしかた
上述の通り、母親本人やその子供へは様々な種類の支援が必要となります。では、具体的に私たちはどのような形で支援することができるのでしょうか。支援の仕方には大きく分けて次のようなものがあります。
・お金の寄付
・物の寄付
・ボランティア
お金の寄付
最も使途の幅が広いのはお金の寄付です。シングルマザーやその子供を支援する活動を行っている団体は数多く存在します。シングルマザーの就労支援、相談窓口や交流会を設けている団体、母子家庭の子供の学習格差を失くす取り組みや居場所を作る活動をしている団体など活動内容は様々です。多くの場合、団体の公式サイトからオンラインで寄付ができるので、最も応援したい取り組みをしている団体に寄付をしてみてはいかがでしょうか。
物の寄付
シングルマザー支援団体の中には、使わなくなった書籍やDVD、ランドセルなど、物の寄付を受けつけているところもあります。また、認定NPO法人グッドネーバーズ・ジャパンや、一般社団法人北長瀬エリアマネジメントの「北長瀬コミュニティブリッジ」など、食品を寄付することで困窮家庭へ食品を提供できる団体も存在します。ただし、物や食品の寄付の場合、保存状態、賞味期限などの要件について寄付先によく確認してから寄付をするようにしましょう。
ボランティア
各支援団体でボランティアをすることでシングルマザーを支援する方法もあります。団体で行っている交流会やイベントで子供と遊ぶボランティアもあれば、支援団体の運営や企画にボランティアとして携わることによりシングルマザーをサポートする方法もあります。団体のホームページでボランティアを募集していることがありますので、興味がある方は直接問い合わせてみましょう。
シングルマザーの寄付団体
シングルマザーを支援する活動に寄付ができる団体をいくつかご紹介します。
<母親本人を支援したい>
認定NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ
公式サイト:https://www.single-mama.com/
しんぐるまざあず・ふぉーらむは当事者の経験を持ち、かつ専門的な資格とトレーニングを受けた支援者が中心となってシングルマザーを支援しているNPO法人です。企業と連携した就労支援、電話やメールでの相談や交流会の開催、食料支援など母親とその子供に必要な支援を提供しています。公式HPからの寄付が可能な他、ボランティアも募集しています。
主な活動内容
・シングルマザー向け就労支援・キャリア支援
・電話・メール相談
・ママカフェ・サロン
・入学お祝い金
・親子イベント
・食料支援
・支援基金
NPO法人リトルワンズ
公式サイト:https://npolittleones.com/
リトルワンズは都心を中心にシングルマザー・シングルファザーに必要な支援を行っているNPO法人です。これまで、自治体と連携し空き家を活用し、敷金礼金なし保証人不要の手頃な物件を紹介してきた他、各種相談を受け付けて専門家につなぐ活動や、定期的なママ同士の交流会の実施、毎月親子のイベントの開催などを行っています。公式サイトでは子供の支援に使用するための寄付金を募っている他、各種ボランティアの募集も行っています。
主な活動内容
・ひとり親向けのイベント・交流会の実施
・住居探しの支援
・メール・LINEでの相談
NPO法人LivEQuality HUB
公式サイト:https://hub.livequality.co.jp/
LivEQuality HUBはコロナ禍で苦しむ女性たちを支援するために名古屋の民間企業の社会貢献活動として2020年に始まり、その後より本格的な活動を行うために法人化した団体です。現在、認定NPO法人の認可取得に向けて取り組んでいます。主にシングルマザーに安価に部屋を貸し出し、生活の基盤を整える支援を行っています。住居を見つけた後も、定期的に見守りや面談を行い、必要に応じて地域のNPOや民間の支援サービスへ繋いだり、行政手続きのサポートをするなど、生活が安定し自立できるよう支援します。公式サイトから寄付が可能です。
主な活動内容
・シングルマザーの住居探しの支援
・入居後の面談や見守り
・必要に応じたNPOや民間サービスの紹介
・行政手続きのサポート
一般財団法人 mama’s ふらっと
公式サイト:https://www.mamas-flat.org/
寄付金サイト:https://syncable.biz/associate/mamasflat
mama’s ふらっとは子育て中のママが笑顔でいられるために、居場所を提供している団体です。千葉県市原市に地域密着型の常設のサロンを運営しており、いつでも予約なしにふらっと立ち寄ることができます。特に、特性(身体、知的、発達)のある子供を持つ母親たちが孤立しないように居場所を作ることに力を入れています。他にも、子育てママ向けのイベントや講座の開催、子連れOK・単発OKなど、子育ての合間にできる仕事の機会を提供することで、社会とのつながりを作る活動もしています。
シングルマザーに特化した支援ではありませんが、孤立しがちなシングルマザーが気軽にママたちと交流したり、相談したりできる場になっています。寄付金サイトからオンラインで寄付が可能です。
主な活動内容
・子育てママ向けの常設サロン
・イベント・講座の開催
・仕事の機会の提供
認定NPO法人フローレンス
公式サイト:https://florence.or.jp/
ひとり親寄付サイト:https://florence.or.jp/lp/support-single/
フローレンスは病児育児問題、待機児童問題、障害児保育問題、赤ちゃんの虐待死問題などの課題に取り組み、安心して子育てができる社会を目指す非営利団体です。保育園、障害児保育園などの各種施設の運営や、赤ちゃん縁組や病児保育スタッフの派遣など様々な事業を行っています。
ひとり親世帯に特化した取り組みとしては、低価格な病児保育サポートを行っています。シングルマザーは子供の急病時には自分が仕事を休むしか手がなく、収入が減ってしまったり、解雇されてしまうこともあります。病児保育サービスを利用することで、母親は安心して働くことができ、子育てと仕事の両立を後押しします。寄付サイトからオンラインでひとり親世帯向けの寄付が可能です。
主な活動内容
・ひとり親向けの低価格の病児保育サービス
・保育園の運営
・障害児保育園の運営
認定NPO法人ノーベル
公式サイト:https://nponobel.jp/
「ドノ親子ニモ応援団プロジェクト」寄付ページ:https://nponobel.jp/donation/for-parent-child/
ノーベルは子育てを理由に仕事を辞めてしまう女性が多いことに疑問を抱き、子供を産んでも変わらず働ける支援をするために設立された団体です。子供が病気になっても母親が仕事を休まずに済むように、大阪を拠点に病児保育の支援を行っています。寄付で支える病児保育支援「ドノ親子ニモ応援団プロジェクト」では、ひとり親や障害のある子供を持つ家庭を対象に安価な病児保育を提供しています。
主な活動内容
・ひとり親向けの安価な病児保育支援
・訪問型一時保育
<母子家庭の子供を支援したい>
認定NPO法人キッズドア
公式サイト:https://kidsdoor.net/
キッズドアはひとり親世帯を含め、経済的な理由により学習塾などに通えない子供のために、無料の学習サポートを行っている教育NPOです。小学生向けの学習会、中学生向けの高校受験対策、高校生向けの大学受験対策やキャリア支援など、また英語や医療進学に特化した学習支援などを提供しています。また、東北では被災地の子供達のための学習支援やキャリア体験体験活動も行っています。公式サイトからの寄付の他、学習会のボランティアも募集しています。
主な活動内容
・子供の学習支援
・子供の体験・キャリア支援
認定NPO法人 全国こども食堂支援センター・むすびえ
公式サイト:https://musubie.org/
むすびえは、全国各地のこども食堂を支えているネットワーク団体を支援する活動を行っているNPOです。こども食堂の立ち上げ支援や、運営者同士のネットワーク作りの支援など各種支援を行っています。また、こども食堂を応援している企業や団体をこども食堂とつなぐ活動や、こども食堂に関する研究調査なども行っています。こども食堂は、ひとり親世帯をはじめとした貧困世帯のこどもに無料または低料金で食事を提供する他、孤食の解消や食育・交流の場としての役割を果たしています。公式サイトから寄付が可能で、寄付金はこども食堂での各種プログラムの実施、研究調査費などに利用されます。
主な活動内容
・こども食堂のネットワーク団体の支援
・こども食堂と行政・企業との連携支援
・こども食堂に関する調査研究
認定NPO法人 カタリバ
公式サイト:https://www.katariba.or.jp/
カタリバ相談チャット:https://soudan.katariba.online/
カタリバは生まれ育った環境に関わらず、すべての10代が意欲と創造性を育めるよう、居場所と活躍の場を作る活動を行う教育NPOです。ひとり親世帯の子供を含め、経済的な事情を抱える子供や海外にルーツを持つ子供、被災地の子供、不登校やその他の困難を抱える子供など、様々な事情を持つ子供を対象としたプロジェクトを実施しています。
さらに、経済的な困難を抱えているひとり親などが無料でLINE相談ができる窓口「カタリバ相談チャット」も設けています。カタリバへの寄付は公式サイトからオンラインで行うことができます。
主な活動内容
・子供の居場所作り
・各種体験・プログラム
・保護者向けのLINE相談窓口
公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン
公式サイト:https://cfc.or.jp/
チャンス・フォー・チルドレンはひとり親世帯を含む困窮家庭の子供に対して、学習塾、習い事、体験活動で利用できるクーポンを配布し、格差を失くす活動をしている団体です。地域の団体との連携によりクーポンは学習だけでなく、文化活動、スポーツ、各種体験など、子供の興味に合わせた活動に利用でき、リクエストに応じて随時教室なども追加されています。また、大学生ボランティアが定期的に面談や電話により子供の学習などの相談に応じる制度も設けています。
主な活動内容
・困窮家庭の子供への学習・体験クーポンの配布
・子供との面談や電話によるサポート
<食品を寄付したい>
一般社団法人北長瀬エリアマネジメント(北長瀬コミュニティフリッジ)
北長瀬エリアマネジメント公式サイト:https://kitanagase.jp/
北長瀬コミュニティフリッジサイト:https://communityfridge.jp/
北長瀬エリアマネジメントは岡山県岡山市、北長瀬駅前エリアの賑わいを創り出すために、シェアスペースの運営や各種プロジェクト・イベントの開催、起業支援などを行っている団体です。そのプロジェクトの一つが「北長瀬コミュニティフリッジ」です。北長瀬コミュニティフリッジは、シングルマザーを含め様々な事情により食料品や日用品の支援が必要な人たちが、いつでもそれらの物資を取りに行ける地域密着型の取り組みです。北長瀬駅前の商業施設の駐車場に設置された無人の冷蔵倉庫なので、困っている人が、事前に登録することで24時間いつでも人目を気にせずに利用できます。食料品や日用品は個人や企業、商店などからの寄付によるものです。現物の持ち込みの場合、事前に登録が必要ですが、公式サイトから物品を購入(amazon経由)して現地に届ける仕組みもあり、こちらは登録が必要ありません。
主な活動内容
・困窮世帯向けに食料品・日用品を配布する倉庫の運営
認定NPO法人グッドネーバーズ・ジャパン
公式サイト:https://www.gnjp.org/
「グッドごはん」ページ:https://www.gnjp.org/work/domestic/gohan/
グッドネーバーズ・インターナショナルは災害・紛争などにより苦しんでいる世界中の人々の人道・開発援助のために韓国で設立された国際NGOで、グッドネーバーズ・ジャパンはその一員です。海外では、アジアやアフリカで子供の教育や水・医療などの支援を行っており、国内では、ひとり親世帯のフードバンク「グッドごはん」という食料支援の活動を行っています。ひとり親世帯に定期的に無料の食料を配布を行うことで、子供の健やかな成長を支えています。お金の寄付の他、フードバンクへの食料の寄付(現物の配送・持ち込みまたはamazon経由での購入による寄付)も可能です。ただし、現物の配送・持ち込みには様々な決まりがありますのでよく確認してから寄付をするようにしましょう。
主な活動内容
・ひとり親世帯へ無料で食品を提供
シングルマザーへのその他の支援
ここまでシングルマザーを支援する国の制度やNPOなどの取り組みをご紹介してきましたが、企業の中にもシングルマザーの雇用促進の取り組みや手当の導入を行っているところがあります。
人材派遣会社のパソナグループがその一例です。パソナグループでは「ひとり親働く支援プロジェクト」というひとり親世帯支援の取り組みを行っています。淡路島での勤務が条件となりますが、ひとり親専用の雇用枠を設けており、年収350〜600万円とシングルマザーの平均年収よりも高い年収が保証されます。さらに、柔軟な働き方への対応や、社宅、シングルマザーコミュニティへのアクセス、独自の教育施設など、シングルマザーの暮らしや子育てもサポートしています。
また、不動産会社のオープンハウスグループでは、小学生以下の子供を持つひとり親の正社員に対して(「小学校卒業」まで)月額5万円を支給する独自の「ひとり親手当」を導入しました。この手当は所得制限なし、勤続年数や職位も不問です。オープンハウスでは他にも、柔軟な働き方への対応や、内閣府ベビーシッター割引券の利用、ベビーシッター費用の一部会社負担などの子育て支援の制度も取り入れています。
厚生労働省では、このような企業の取り組みを後押しするために、「はたらく母子家庭・父子家庭応援企業表彰」という取り組みを行っています。これは、ひとり親家庭の就業促進への理解、ひとり親の雇用の人数や割合、勤続年数などを基準に、ひとり親にとって良好な職場環境である企業や団体を表彰する取り組みです。
このように企業側のひとり親世帯の就業への理解を深め、柔軟な働き方をしつつ安定した収入を得られるような環境を創り出すことが、シングルマザーの自立に繋がります。
さいごに
シングルマザーは子育てとの両立などの理由により収入が不安定になりがちで、経済力への不安から住居を見つけづらいなど、生活基盤を整えることもままならないことが多いです。母親自身が生活や子育ての悩みを抱え込んでしまうことや、子供の健康や学習の機会が損なわれることもあります。
シングルマザーが自立して安定した生活を送ることができるように、経済面、就労、住居、精神的ケア、子育てなどあらゆる支援が必要です。
ここまで見てきたように、国や自治体の制度以外にもシングルマザーやその子供を支援する団体は数多く存在します。
応援したい活動を見つけて、寄付で支援してみてはいかがでしょうか?